ピアノが御縁を連れてくる

私にとっての平成ラストスパートは、実に素晴らしい御縁に恵まれました。改めて、自分の使命を全うするためには、直観を行動に移すことが大切だと、深く深く実感しました。富山県出身の主人と出会ってから、何度か石川県金沢市で演奏の機会を頂くなど、北陸地方には何かと御縁がありました。私の母方の祖母が金沢市の出身なので(生前に会ったことはありません)、おそらく祖母が天から導いてくれているのだと、そう思っています。

これから北陸地方でも演奏活動をしていけたら幸せだなぁと思っていた所、今回の富山帰省で素晴らしい御縁が繋がりました。全国的にとても有名でいらっしゃる素晴らしい調律師さんが、なんと富山県にいらっしゃったのです!


創業1923年、竹田楽器の三代目代表であられる竹田時康さんです。竹田さんはお孫さんを含む御親族10人が調律師!凄い!そして、チェンバロやスクエアピアノを所有されており、いつも大変お世話になっている調律師 名取さんのお話をしつつ、ここ数年の私のフォルテピアノ(作曲家が生きていた時代のピアノ)との出会いのお話で大変に盛り上がりました。とてもお忙しく各地を飛び回っていらっしゃるお方にも関わらず、当日の連絡で長時間ご一緒出来たのは、本当に奇跡だったと思います。
こちらのスクエアピアノは、1801年製でハイドンが使っていたとされるもの。最近のタイムスリップな出逢いの多さに、ちょっと頭の整理が必要です(笑)

そして、こちらのホールで長時間弾かせて頂きました。私の演奏を聴いて、「ちょっと、びっくりした。。」と感動して下さったので、少しですが奏法の話をしました。私の弾き方をみて「指の運び方」(奏法)が独特である事にお気付き頂きました。たくさんの演奏家の音を聴いている調律師の方に、音色を素晴らしいと言ってもらえる事は、素直に嬉しい!!

こちらのホールのヤマハは、私が今まで各地で弾いてきたYAMAHAの音、タッチとは違うもので、「え?これ本当にYAMAHA??」、何もかもが違うのです。その事をお伝えした所、特別な状態で作成されたピアノでした。そのエピソードを聞かせて頂いた事に感謝すると共に、私自身がしっかりその事を楽器を通して感じ取る事が出来た事に感動しました。

変な言い方ですが、「自分の演奏、自分の耳と体感を、もっと信頼してあげよう」と、自然と思ったのでした。

その後、倉庫にまで連れて行ってもらい、たくさんのピアノを弾かせてもらいました。それぞれの音の個性や、音色の幅、レンジの違いがよくわかり、細かいお話を共有させて頂き、実に楽しく幸せな時を過ごしました。私自身の演奏が、常に進化し続けていること、伸び代がまだまだある、と確信できるほどに、一台一台の性質と、自分自身の「弾く身体」の分析が、とてもクリアにスムーズになっている事に、はたまた感動したのでした。

そうそう、御縁というのは本当に不思議で、3年前に金沢の湯涌温泉にある竹久夢二美術館で演奏させて頂いたのですが、その時のピアノが、竹田楽器さん提供のものだったのです!!もう、その頃から御縁は始まっていたのですね。早速翌日、御礼参りのような気持ちで、湯涌の竹久夢二美術館に行き、太田館長さんにお会いしてご報告をして参りました。


はい、このピアノです!本当にピアノが御縁を連れて来てくれる!

竹田楽器 竹田さん、竹久夢二美術館 太田館長、本当にありがとうございました。

これからも、末永く宜しくお願い致します!