プレイエルに心酔

先日は親友 奈穂子のウェディングで大阪に行って参りました。彼女とは13年前にワルシャワのショパンセミナーで出会いました。その後、ショパンの軌跡を辿り、2人でヨーロッパを周った大切な思い出もあります。まさに、ショパンが引き合わせた出会いです。
そんな彼女が結婚したお相手はというと、作曲家が生きていた時代のフォルテピアノ(オリジナル楽器、ピリオド楽器と呼びます!)をこよなく愛するザ・ピアノマニア、Richard♡ こちらもまさに、ショパンが、ピアノが、引き合わせたご縁なのです♡


そんなRichardが所有するのは…

1845年製プレイエル
1875年製エラール
1785年製スクエアピアノ
1711年製のチェンバロ複製


ざっと4台。。凄いよね( ̄▽ ̄)


おふたりの結婚パーティーの直後から、私は2人に引っ付いて、そのまま新婚家庭に宿泊するのでした(笑)おうちに着くや否や、スクエアピアノに反応した私の興奮が彼に伝染し、コートもまだ脱いでいないのに「どうぞ!弾いて下さい!」という彼は、結婚式では緊張していたのに、楽器の話になると水を得た魚のようで目がキラキラし始めるのでした٩( ᐛ )و
スクエアピアノの写真は撮り忘れてしまいましたが、モーツァルトの時代のとても貴重なものです。この写真は、そのスクエアピアノから次に興味が飛んだ、1711年当時のチェンバロの複製。深夜0時、結婚パーティー直後の疲れも吹っ飛び、楽器の構造をレクチャーし出すRichardと、18,19世紀にタイムトリップした事に脳がついていかない私、という風景を花嫁が激写。実にピアノマニアな時間が流れている1枚です。

そして、本題であるプレイエルさんとのご対面を済ませた私ですが、さすがに疲労が訪れ、それは明日のお楽しみにしたのでした!

日が変わって、今日は1日プレイエルさんと一緒です。

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1845年製のプレイエルさんです。
Richardと奈穂子にアドバイスをもらいながら、ショパンをたくさん弾きました。どうやったら、ショパンが話していた響きが出せるのかと、大切に大切に弾きました。少しづつ繋がる瞬間が表れてきました。タッチはもちろんのこと、ペダルでの細かいコントロールで、響きが変わり、「もっともっと可能性があるんだよ」と、楽器が教えてくれるのです。だから弾き手は、そこに吸い寄せられていくんです。弾き始めて3時間程経ったでしょうか、バラード4番を弾いていた時、ゾーンに入りました。気付いたら、何故か3人、泣いていました。

改めて、「ショパンの音楽とは何なのか」「求める表現はここにある」という事を、魂レベルで体感してしまいました。これから私はどうしましょうか(笑)


そして、プレイエルでリストやベートーヴェンを弾いても素晴らしい事を知り、もう感動しかありません。いわゆるロシア奏法での手のひらの細かい筋肉と、手首の柔らかさは、フォルテピアノにも生きることを知り、これまた感動しました。しかしながら、重力奏法という観点である、腕の重さを利用して…というのは作用しません。それをしてしまうと、響きが完全に潰れてしまい、楽器が可哀想。

実は以前に、いつもお願いしている調律師さんが所有する1840年製のプレイエルを弾かせて頂いた事があります。下のリンクはその時の記事です。ピアノは同じメーカー、同じ型番のものでも、1つとして同じものはありません。私たち人間と一緒です。フォルテピアノ(作曲家が生きていた時代のピアノ)に至っては、おおよそ200年前のものですので、これまでの保管状態や過去のオーナーさんの弾き方、調律の状態などにより、個体差が本当に凄いのです。それにしても、こんなにも多く当時のピアノに触れる事が出来るなんて、我ながら恵まれていると思います。この経験を、自分の演奏に生かしていきたいです。
実は、挙式直後の新婚家庭に2泊もしてピアノ三昧で盛り上がり、その後の京都旅行にも一緒に行った私です( ̄▽ ̄)エラールでは、久しぶりに連弾を楽しみました。次回はドビュッシーをたくさん弾きたいなぁ。時間が足らないですね(笑)

Happy wedding!!!! ♡Richard&Naoko♡

Thank you for everything!!!
I truly want to thank you from bottom of my heart!!!