虫様筋と骨幹筋

レッスンで私が何気なく弾きますと、「なんでこんなに響きが違うの!」と、生徒さんがびっくりされます。同じ箇所を生徒さんと交互に弾いても、うん、確かに響きが違うんですね。それは、体(上半身・下半身全て)の使い方と、音楽の呼吸が染み付いているという事がベースにあるのですが、具体的な所で言うと、虫様筋&骨間筋をどれだけ使っているか、だという事がわかりました。

※虫様筋→手の中の腱と腱を繋ぐ筋肉
※骨間筋→指の中手骨と基節骨を繋ぐ筋肉

ショパンのマズルカをレッスン中に、「先生、そこどうやって弾いてるんですか?!どうしたらそんな響きが出るんですか!?」と言われ、早速、「自分は一体全体どう弾いているのだろうか、、」を客観視しながら弾いてみました。

そうしましたら、結果やっぱりそうなんだと。

音から音へ手を運ぶ間、休符の時、跳躍の時、いつでもどこでも常に虫様筋を屈曲して(骨間筋を使って)いたんです。


もう身体に染み付いていて、それが当たり前にデフォルトになっていたので、私もびっくりしましたが、虫様筋は常に休んでいないのです。そして、スタッカートや、軽やかなリズム、鍵盤をホップステップするような時も、常に手の中(手のひら)がレガートを作る時の程よい緊張感になっているのです。まさに、レガート奏法ですね。

信じられないくらい、虫様筋&骨間筋使ってます!


それから、生徒さんにも、信じられないほど虫様筋&骨間筋を使ってもらったら、はい、同じ響き出せましたよ!ファーストステップクリアです!!これで指が安定し、手腕が鍵盤に吸い寄せられるようになります。

この筋肉をしっかり使えていると、音が響きをまとい、音から音へ、見えない糸がぐーんと伸びるようになります。和音のバランスも、両手で弾いた時の響きのバランスも、美しく調和します。演奏の質がガラッと変わります。

この筋肉が使えていないと、響かない、または響きが潰れてしまう、音が伸びない、他の音とのバランスが取れず混濁する、などなど、色々な症状が出ます。。。

最近は小学生の生徒も、「虫様筋ホント大事だよねー」「これで音変わるよね〜」との発言があったりするので面白いです(笑)

筋肉なので、使ってれば育ちますからね。最初は意識的に使う事を習慣にして、何年かしたら無意識でもそれをやれるようになります。私も今回のレッスンの中で、自分が無意識に適切な筋肉を使っている事を知り、感動しました。生徒さんに感謝!!

ここまで読んで、虫様筋ってなに??となった方は、こちらの記事をどうぞ。